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  観戦記


06/Dec/98



個人的に会場に足を運んで、WWFを観るのは始めて。テレビを通しては、どうしてもレスリングのみに目が行ってしまう。そして、彼らのレベルに落胆する。

彼らのレスリングだけを見ても、楽しいと言う者はほとんどいないだろう。だが、アメ・プロの醍醐味は会場をフルに活用した演出である。会場内の明るい照明、デザイン。

花火。キャラクター化されたレスラー。美人マネージャー。幹部のスピーチ、etc。そして、なにより画期的なのが、選手の入場時に使われるビデオ・クリップ。これが最高にかっこいい。アメリカの団体と日本の大きな団体の善し悪しは簡単に比べられない。

レスリング中心の日本と、レスリングが一部に過ぎないアメリカは全く違うものと考えたほうがいいからだ。

第1試合
アル・スノーvs ギャングレル

依然、ECWでトップ・レスラーだったアル・スノー。WWFでも凄い人気だ。昔、来日したような記憶があるのだが、筆者自身、定かではない。デビューして15年のベテラン選手。

ギャングレルはブラッドというグループのリーダー。スノーもギャングレルも良いレスリング・センスを持っていると思う。最後はギャングレルがスノーのヘッド(マネキンの頭)攻撃に遭うが、セコンドのクリスチャンがレフリーともめている間にエッジが乱入し、スノーにトップロープからドロップキック。生き返ったギャングレルがフォール。

第2試合
リージョン・オブ・ドゥームvs ザ・ヘッドバンガーズ
アニマルと決別したホークの姿はない。観客はホーク・コールを起こし、アニマルのパートナー、ドロスにブーイングを浴びせる。相手は人気者になっているヘッドバンガーズ。

これといって、特徴のないチーム。見た目はペイントをしていて、わかりやすいが、非常に影が薄い。アニマルも全盛期ほどのスピード、パワーがなく、寂しさを覚えた。最後はドロスが不可解にアニマルを場外に落とし、相手に丸め込まれ、リージョン・オブ・ドゥーム敗れる。アニマルはドロスに詰め寄り、キックを加える。ドロスも応戦し、ついに仲間割れ。アニマルはホークとよりを戻すのだろうか?

第3試合
ヴァル・ヴィニス vsゴールダスト
"現代版リック・ルード"ヴィニス。腰をクネクネさせる。妖艶な魅力を放つゴールダスト。この2人はダスティン・ランネル(ゴールダスト)の奥さんをヴィニスが寝取ったことで5ヶ月ほど抗争が続いている。

現在形の日本のプロレスが大好きな人にとっては、吐き気を起こすような対決だ。最後はゴールダストがヴィニスをコーナーポストに張り付け、急所蹴りを放とうとするが、レフリーに止められる。レフリーともめている間にヴィニスがゴールダストを丸め込み、勝利。

第4試合
エッジvs タイガー・アリ・シン
シンは父親に非常に似てきたが、善人の面持ちで、あまり悪いことはしない。青年実業家のインド人の役柄。エッジは見た目はハード・ロッカー。空中殺法が得意。結局、熱い戦いにはならずに、シンがロープに足をかけながら、エッジをフォール。

第5試合
セイブル、クリスチャン vsジャクリーン、マーク・メロ

観客はセイブルを生で見ることができて、本当に幸せそうだ。現代のヒロインは非常に輝いている。だが、試合をするとなると、非常にショッパイ。ジャクリーンも同様なので、危なっかしくて観ていられない。最後はセイブルがジャクリーンをフォール。

第6試合
インターコンチネンタル選手権
ケン・シャムロック vsスティーブ・ブラックマン
シャムロックは今、ナンバーワンの悪役かもしれない。とても嫌われている。パンクラス時代のファイティング・スタイルの面影はほとんどない。相手は、シャムロックと体格が似ているブラックマン。

空手の経験があるらしく、見た目は強そうだ。シャムロックのセコンドにはビッグ・ボス・マンが付いている。現在はマクマホンの用心棒的存在だ。試合中にはブラックマンにスライディング・キックをやられるが、リング外からブラックマンの足に警棒攻撃。すかさず、シャムロックが18番のアンクル・ホールドシャムロック、ギヴ・アップ勝ち。

第7試合
ハンター・ハースト・ヘルムスリー vsジェフ・ジャレット
所謂、トリプルH 対 ダブルJ。"男の中の男"(というボードが立てられていた)チャイナと赤丸急上昇のデブラがセコンドに付いている。トリプルHはDジェネレーションXのリーダー。

人気が凄い。一方、ダブルJは嫌われ者。チャイナがテレビで見るよりもスリムで奇麗なのには、驚いた。終盤には、デブラがリング上でトリプルHに対して、色仕掛けをする。トリプルJの後ろからダブルJが椅子で殴り掛かろうとするが、チャイナがジェフの椅子を掴み、すかさずヘルムスリーが変形タイガー・ドライバーでフォール。

第8試合
WWFタッグ選手権
ニュー・エイジ・アウトローズ vsD−LOブラウン、マーク・ヘンリー

ロード・ドッグとビリー・ガンのチャンピォン・チームは凄い人気。特に、ビリー・ガンは下半身が太く、バランスのいい体格をしていて、大物に化ける日も近いのではないか。ザ・ネイションというグループを組むブラウンとヘンリー。昔、ファールークことロン・シモンズもいたのだが、どこへ行ってしまったのだろう。試合はアウトローズがタイトルを防衛。

第9試合
WWFヘビー級選手権
ザ・ロック 対 Xパック
現在、売り出し中のチャンピォン、ザ・ロック登場。但し、まだまだ顔ではないのか、メインには出られず。Xパックは以前、123キッドあるいはシックスと名乗っていた。タイトル・マッチだけあって、なかなかの好試合に。しかし、セコンドのトリプルHがロックに攻撃を始め、無効試合に。最後はザ・ロックのマイク・アピール。喋るのが好きなチャンピォンだ。

第10試合
フェイタル・4ウェイ・マッチ
ストーン・コールド・スティーブ・オースチン / ジ・アンダーテイカー / ケイン / マンカインド

フェイタル・4ウェイ・マッチとは、4人が入り乱れる試合。試合前にシェーン・マクマホン、パット・パターソン、ヴィンス・マクマホン、ビッグ・ボス・マン、特別レフリー・ジェリー・ブリスコ達WWF幹部が個別で入場。そして、イギリスのサッカー選手ヴィニー・ジョーンズが入場し、観客の支持を得る。リング上でビッグ・ボス・マンと相対し、彼を場外まで突き飛ばす。ヴィニーは退場を命じられ、セキュリティに控え室へ追い返されてしまう。そして、マンカインド、ケインの順で入場が始まり、試合開始。1分ごとにアンダーテイカー、オースチンがやって来る。

オースチンの人気はものすごい。ホーガンと違って、日本には2,3回しか来たことがないので、日本人にはあまりなじみがないが、80年代のホーガン人気とほぼ同等だ。試合のほうは自然と、オースチン、マンカインド 対 アンダーテイカー、ケインの図式に変わって行く。

技は全員とも、殴る蹴るが主体。オースチンはフライング・ボディ・シザース、アンダーテイカーはチョークスラム、ケインはツームストン・パイル・ドライバー、マンカインドはマンディブル・クローを繰り出す。オースチンがケインをフォールしても、レフリーのジェリー・ブリスコはカウントを入れない。

怒ったオースチンがブリスコを場外に放ると、オースチンの味方のレフリーが登場し、オースチンがケインにストーン・コールド・スタイナーを決め、試合終了。最後にヴィニー・ジョーンズとオースチンがビールで祝杯をあげる。

WWFはヴィンス・マクマホンの団体。所属する全てのレスラーは彼の戦略に沿って動いている。スターを作ることにかけては、業界ナンバーワンの座は誰にも譲っていない。WCWもビル・ゴールドバーグを育てているが、オースチンには及ばない。

しかし、各界の有名人をリングに上げて、レスラーと戦わせることには疑問を覚える。マイク・タイソンは本当に強いから別格としても、バスケット・ボールのデニス・ロッドマンやカール・マローン、そして今回のヴィニー・ジョーンズ。

彼らがレスラーを倒したりすると、観客は喜ぶだろうが、レスラー=強い者、という図式は壊れるので、レスラーはこのことに危機を感じるべきだと思う。今回ヴィニーに倒されたのが、ボス・マンだったが、もしシャムロックだったら、完全に失望していた。

来年3月にはジム・キャリーがジェリー・ローラーと戦う、という噂がある。見てみたい気もするが、プロレス界にとっても危険なことでもある、というのを忘れてはならない。

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