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  観戦記

All Star Promotions - Big time American Wrestling
Date : 3/Feb/02
Place : Fairfield Hall - Croydon


会場となるFairfield Hallは、ロンドンのヴィクトリア駅から国鉄で20分程のイースト・クロイドン駅のすぐ近くにある。そして、この会場はオール・スター・レスリングの聖地であり、月一回は大体、ここで興行を打っている。

そして、私が知る限りでは、70年代のジョイント・プロモーションの頃から多くのビッグ・マッチがここで行われ、、ビッグ・ダディ、トニー・セント・クレアー、ケンドー・ナガサキ、ローラーボール・マーク・ロコ、ダイナマイト・キッド、日本からはサミー・リー(佐山聡)、クイック・キック・リー(前田日明)、フライング・フジ・ヤマダ(獣神サンダー・ライガー)などのレスラーがこの会場で熱い試合を提供してきた。

大会当日は大雨で、ここ数週間、週末は必ずといっていいほど、雨が降っており、太陽をなかなか目にする事が出来ない。空は、ねずみ色一色で、ロンドンの冬、特に12月〜2月は非常に気が滅入る。早歩きで会場入りし、チケットを購入。

すると、係員が「第一試合は既に4時に始まっていて、10分経過しているよ。」と我々に言ってきた。私はてっきり4時半開始だと思ってた。しかし、私は動揺しなかった。

幾つもの取材をこなしてきたせいなのか、多くの大会に遅刻した経験があるからなのかは、よくわからないが、私は余裕で「全く問題ないよ。」とさらりと返答した。

会場入りすると、丁度第一試合が終了。ディーン・エクストリームが勝利していた。

第二試合
インターナショナル・トーナメント第2回戦
ナイジェル・マクギネス vsタイガー・スティール どうやら、今大会はインターナショナル・トーナメントという訳の分からぬ勝ち抜き戦が行われるらしい。

勝利者は明後日(2月5日)に同会場で行われる興行で、準決勝戦、決勝戦を行う、という事だ。まずは、アメリカでウィリアム・リーガル(WWF)の元でトレーニングを積んだマクギネスが入場。次に登場したのは、デ、デカイ!そして、どこかで見た事あるぞ。



日本でも、ザ・ランド・オブ・ジャイアンツのブッチ・マスターズとして知られているタイガー・スティールだ。公称では2メートル14センチであり、今はスタン・ハンセンのようなカウボーイ・ギミックに変身している。試合の方は、スティールの圧倒的な強さが目立った。

マクギネスの技はほとんど効かなく、スティールの一発一発が重い。最後は、スティールがカウベルでマクギネスの頭を一撃、反則を取られた。



第三試合
インターナショナル・トーナメント第3回戦
にせスコッティ・2・ホッティ vsクリス・ダイアモンド
WWFでよく聞くテーマ曲が鳴った。これはTOO COOLのテーマ曲だ。現在、WWFと契約中のスコッティ・2・ホッティは出てくるはずがない。



すると、1週間後にもイギリスの他プロモーションへの参加が決まっているブライアン・クリストファーか?、と大きな期待を抱いたが、入場口から出てきたのは、偽者のスコッティ・2・ホッティだ。私が超がっかりしたのは、言うまでもない。踊り方が似ている為、多くの子供達が本物と間違え、後日学校で「スコッティ・2・ホッティを見た!」ときっと自慢をする事だろう。

対する相手は、クリス・ダイアモンド。表情を見る限りは、イギリス人っぽい。ホッティ=ベビー、ダイアモンド=ヒールという図式ができあがり、ダイアモンドを急所攻撃を多用して、観客をヒートアップさせる。

しかし、試合自体は面白味も無く、5日経った今ではフィニッシュ技も記憶にない。とりあえず、ホッティが勝った。



第四試合
インターナショナル・トーナメント第4回戦
キックボクサー・ケヴィン・ケリー vsジ・エンペラー
最初に入場してきたのは、ドイツのハノーバー・トーナメントにも出ている、というジ・エンペラー。

イギリスで覆面レスラーを見るのは、本当に久しぶりで、新鮮さを覚えた。しかし、体が小さく、全身をパジャマみたいなコスチュームで覆っている為、不安感もよぎった。次に入場してきた対戦相手は、「キックボクサー」ケヴィン・ケリー。キックボクサーという名前が、どんな凄い蹴りを出してくれるのか、と私は非常にこの選手に期待した。試合が始まってからは、両者ともなかなかスピーディで面白い。


特にエンペラーはケンドー・カシンばりに、相手の両足をコーナーのロープに引っかけての急所蹴りを披露したり、バック転なども軽々とこなす。スタイル的にも、みちのくプロレス等のルチャ系選手に似ており、もしかしたら、この人は日本の地を何度も踏んでいるのでは?、と思わせるほどだ。

一方のケリーは、蹴り技は全く繰り出さない。どこが、キックボクサーなんだろう?名前負けする選手だ。そんなに悪くない選手だが、ふさわしくないニックネームは即、取り払うべきだ。

最後はトップロープからのフランケン・シュタイナーを狙ったエンペラーに対して、ケリーがクルリと後方に回り、てこの原理を利用して、パワーボムでエンペラーを仕留めた。



第五試合
PAニュース、チック・クラン vsUKピットブルズ
元メジャー(WCW)選手のPAニュースが登場。

キャノンボール・グリズリーというリングネームでもドイツの団体にも、よく登場している選手だ。本日はスコットランドの実力者、チック・クランとタッグを結成。対する相手は、巨漢タッグチーム、UKピットブルズ。

これまでにこんなデブを見たことがない、と言っていいほど太っている。ロープの間をくぐるにも一苦労である。そして、こんな存在感あるレスラーを見る事が出来て、見に来て良かったな〜、とそれなりに満足もした。

試合の方は、ピットブルズのパワーに対して、PAニュースはパワーで真向から勝負、そして、クランはテクニックでピットブルズを翻弄する。ピットブルズの一挙一足もコミカルで面白い。

最後は、PAニュースのセカンド・ロープからのトペ・アトミコのような技で、ピットブルズの少し痩せている方からフォールを奪った。


第六試合
金網デスマッチ
にせアンダーテイカー vsにせサージェント・スローター 私自身、イギリスで金網デスマッチを見るのは初めてで、どんな試合を展開してくれるのか、始める前からワクワクした。

また、暗闇の中で青い光を放っている金網が、妙な雰囲気を醸し出していた。選手入場。アンダーテイカーとサージェント・スローターの究極(?)の偽者対決である。アンダーテイカーの方は、本物と比べても風貌はそっくりだが、スローターの方は、背の高い若者がただ軍服を来ているだけで、本物とは特に共通する特徴はない。


こんなゲテモノ対決を堂々とやってしまうオールスター・レスリングには、また違った意味でも感服してしまう。

さて、試合ルールは金網から先に脱出した者が勝ちとなる。試合の方は、お互いにほぼ互角で、特に金網を利用した攻撃もなく、パンチやラリアートなんかが主体となっている。

にせアンダーテイカーはロープ歩きを繰り出すが、金網に捕まりながら、歩いているのが少々間抜けである。内容は全般的に面白くないのだが、最後のフィニッシュ・シーンはなかなか圧巻であった。金網の最上部で脱出を試みるスローターをテイカーが捕まえて、4メートルはあろう金網のてっぺんから、デッドリー・ドライブ。

スローターは完全に動きが止まり、にせアンダーテイカーが脱出成功。試合後は、本物だと信じている子供ファンから熱い声援を送られていた。



私がオールスター・レスリングを見るのは、これで三回目になるが、以前の二回の劇場での興行と違って、聖地であるクロイドンでは、レスリング自体が大人も楽しめるように、選手もいろいろな技を繰り出しているような気がした。

しかし、今回出場したメンバーの試合を、この会場で再び見たい、という気持ちにはならない。オールスターを見た後はいつも、「もう見なくてもいいな。」と思ってしまうのは、なぜだろう?主な原因は、おそらく、大会が一話完結だからだろう。

次回の興行につなげるものが何もない。今回はたまたま次回興行につなげるトーナメントがあったが、出場選手にはインパクトのある者がいないので、トーナメントは私にとって、あってないようなものだった。正直言って、今回オールスターを観に来たのは、イギリス・マット復帰が予定されているディビー・ボーイ・スミスを見たかったからだ。

しかし、ポスターに彼の写真が出ているにも関わらず、腰の負傷という事で、一向に登場してくる様子はない。私がオールスターの第一試合を見逃しても、特に動揺しなかったのは、上記のような理由で、関心が欠落しているからだろう。

今回、面白かったのが、会場にお年寄りの方が多かった事。家族連れとかじゃなく、夫婦、友人同士で見に来て、声を張り上げて、選手を応援したり、野次ったりしている。

おそらく、数十年も前からプロレスを愛し続けて、フェアフィールド・ホールに足を運んでいるのだろう。パフォーマンスをくどく続けているレスラーに対して、「Wrestle! Wrestle!」と怒っている、おばあちゃんが印象的だった。

古き良きプロレスを求める、そういうお年寄りの方から、イギリスのプロレスの歴史みたいなものが伺えたのが、嬉しかった。

LWF UK O総理


 
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