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  観戦記

副会長の体験リポート

それは、帰国する友人の一言で始まった。10月11日におこなわれたリングスUKの興行3日前に
友人「最後の思い出にRINGSが観たい。でもチケットが・・・。」

その時点では既に売り切れ状態だった。ただ、昔からの友人リー・ハスデルが主催する興行だけに、何とか手に入るだろうと考え、早速電話してみた。

副会長「悪いんだけど、チケット5枚手に入るかな?」
リー「チケットは完売状態なんだけど・・・。それより今回は俺の方からお願いがあるんだ。手伝ってくれないか?手伝ってくれるんだったらチケットは何とかするよ」

副会長「チケット手に入るなら御安い御用だよ。一体何なの?」
リー「ちょっと日本人が来るから、その人の世話をして欲しいんだ」
このようなやり取りの末、チケットを手に入れることが出来た。仕事の内容もあまり知らされぬまま・・・。 


大会当日、12:30にスタッフの集合場所に行った。いつもと違うVIP待遇だ。
副会長「なんかおかしいなぁ」
それから30分後、久しぶりにリーと再開。(バナナを食べてた)
副会長「チケットありがとう。ところで手伝いって何?」
リー「簡単な事さ。ミスター・カネハラとミスター・マエダの通訳だよ。カメラ持ってきた?(笑)」

副会長「ちょ、ちょっと待って。って事は、前田さんの世話を?」
リー「よかったな〜。前田さんだぞ(笑)」

"知らなかった!まさか、あの日明兄さんが・・・。やべっ!緊張してきた"
リー「1時に到着するから。あと、ラジオやTV、雑誌等が取材に来るからよろしくね」
"そんな大事なこと早く言えよ!"
1時をちょっと過ぎた所で、金原選手、そして前田氏登場。会場内からも注目を浴びる。

副会長「本日お供しますKです。よろしくお願いします」

前田氏(以下敬称略)「前田です。よろしく」(さっと、名刺を差し出す前田氏)
"オーッ!でかいっ!!さすが新格闘王。うわー、名刺貰えるの?"
金原氏(以下敬称略)「どうも、金原です」

"これが8連勝中の金原選手か。ごつい体だな・・・。"
そんなやりとりがあった後、さっそく仕事開始。選手の計量と、試合前の記者会見。そして、選手の参加申し込み用紙の記入。名前、住所等を一通り書き終えた後・・・。

格闘技経験欄にて。
金原「えーと・・・。格闘技経験は・・・。」
前田「こうがにんぽう」
金原「えっ?」
前田「甲賀忍法」
金原「マジ書いていいんですか?」
前田「ええよ、ええよ、書いとけや、おもろいやん」
かくして金原選手は、イギリスにて甲賀忍法マスターになったのであった。

記者会見場から会場に移動。
前田「おいっ!選手全員に爪を必ず切れって伝えとけ。それと、青コーナーの奴は青いテープ。赤コーナーの奴には赤いテープを必ず巻く事!!」
前田氏はRINGS普及の為、相当ルールにはナーバスになっているようだ。一方金原選手は
金原「あー、眠たいなー。あー、だるいなー。なんで、イギリスの料理ってまずいんですかね?」
などと、非常にリラックスした様子。そんなやり取りが何度も続いた中で、会場内の日本人全員が気になる、共通の話題があった・・・・。

『高田VSヒクソン戦』
いろんな所に連絡して、何とか結果を知る事が出来た。金原さんは相当ショックを受けた様子だ。やはり、Uインター時代の先輩が負けるのは・・・。前田氏も、非常に複雑な表情であった。

ただ、アレキサンダー大塚選手の勝利については、「よー頑張ったやん。」と、非常に喜んでいたようだ。
金原選手のショックが、何処まで影響されるか心配されたが、さすがはプロ。試合が近づくにつれ、格闘家の目に変わっていく様子が伺える。その時だ。私にとって、一生忘れられない出来事が起こった。

金原「悪いんだけどさー、打ち込み手伝ってよ」
副会長「僕でいいんですか?ハイ、喜んで」
中学時代に柔道を、そして、大学時代に新空手を習っていた私にとっては、夢のような出来事。まさかプロの選手と打ち込みが出来るなんて。

打ち込みが始まり、金原選手は、私が格闘技に縁の無い人間だと思い、気を使って、
金原「立ってるだけでいいからさー、勝手にタックルの練習するから。」
そうして、私が立っている所に、金原選手がタックルに入る練習が始まった。

体が徐々に暖まり、今度は、金原さんが軽くパンチを打ちながらタックルに入る練習。その時だ。

条件反射とは恐ろしいもので、引退して何年も経つ私の体が無意識にブロックをした。「おやっ?」とした表情をしたあと、再びキックを打つ金原選手。わたしも、当然のようにブロックをする。

金原「何かやってた事あるの?」
副会長「えぇ、あのー・・・。新空手を少々。あと柔道と・・・。」
金原「な〜んだ、じゃあ問題ないんじゃん。」

そこからは、私が1・2・ローを打ち、金原選手はブロックしながらタックルに入るという打ち込みが始まった。
"ガチャ"
控え室のドアが開き、アキラ兄さんが出てきた。アキラ兄さんは私を見るなり、
"ニヤッー"
という、何とも言えない笑みを浮かべ、おもむろに近づき、笑いながら
前田「えーい。ボディブロー」(ドスッ!)
"いっ痛―い!さすがは格闘王。" じゃれあいのパンチだけなのに、味わったことの無い痛みが走った。名づけて『思い出パンチ』(なんじゃ、そりゃ?)

試合が終盤に近づくに連れ、アキラ兄さんも忙しくなる。そこで一言
前田「あのなー、悪いんやけど、控え室からリングまで金原のこと誘導したってくれへんか?それとなー、俺、審議委員会につかなあかんねん。だからなー、ハイこれ」
"スットプウォッチを差し出す"
前田「セコンドに付いたってくれ。5分ごとに時間伝えてくれ。よろしく。」
アキラ兄さんからのセコンドへの招待券が送られた。

さー、いよいよ出番だ。金原選手も全然緊張してない。時差ぼけ、しかも風邪気味で体調は悪いらしいが、気合いも入っている。
金原「さっき俺が預けた鞄があったでしょ。あの中に、お守りが入ってるんだ。俺のセコンドにつく間、その鞄、俺の方に向けといて」
格闘技とは、孤独との闘い。そして、怪我との闘い。しかも、プロともなると、いつも危険と隣り合わせ。

日ごろから鍛えぬかれた体を持つ金原選手であったも、さすがに心配なのであろう。意外な気もしたが、普段は見ることが出来ない金原選手の素顔を垣間見えて、とても大変な仕事だったけど、引き受けて良かったと実感した。


金原選手のセコンドに付く副会長 いつもと変わらぬ入場シーン。いつもの様にリングイン。私もいつもセコンドについているRINGSの若手の様にロープを広げ入場させる。大歓声の中、金原選手は胸を張り、両手を広げ、自己アピールをする。

試合結果は別ページにて・・・
 
試合は判定の結果、金原選手の勝ち。私も9連勝のお手伝いが出来て、とても嬉しく思った。金原選手も「よく声が通っていた」と言ってくれ、何とかお役に立てた様だ。
控え室に帰り、みんなが落ち着いた所で、アキラ兄さんが一言

前田「なんか、さっき聞いたんやけど、自分(副会長の事)ここのスタッフやないらしいな。それやのに、あんなに一生懸命働いてくれたん?ノーギャラなんやって?悪かったなー。俺すっかりスタッフやと思い込んどったわ。いろいろ文句言ったり、用事言いつけてごめんな」

副会長「イエイエ、いーですよ。僕等はリーの友達だし、いつもリーに世話になってますから。だけど、1つお願いがあるんですが、会場に僕の友達が来てるんです。もう、ロンドンを離れてしまうのです。最後の記念に、友人と一緒に写真を撮っていただけませんか?」

前田「ハイハイお安い御用。喜んで。」



リングスの美人マネージャー"Uさん"と、世間話をしていた時に言った事が、そのまま前田氏に伝わった様だ。ちなみに"Uさん"とても気さくでなかなかの美人。素敵なお姉様だ。

かくして、アキラ兄さんの機嫌を損なうことなく、写真撮影会大成功。その上、
金原「よかったら、打ち上げにも参加してよ。友達も連れて来てさ。」
我々は打ち上げにも全員参加させて頂いた。
イベント終了後 前田氏 & LWFの仲間達

打ち上げ会場にて 副会長 & 前田氏 2ショット 打ち上げが終了し、駐車場までお見送り。
前田「海外生活大変やけど、がんばってな」
副会長「ありがとうございます。次回までには、もっと英語も上達して、もっと協力しますので、前田さん、次回はイジメないで下さいね。(笑)」(前田氏大爆笑)

こうして、RINGSイギリス大会が無事終了した。翌日、時間が合えば金原選手と会う予定になっていたのだが、仕事の都合で、結局は観光も出来なかった様だ。
その日の晩、金原選手から電話があり、1時間ほどの長話。とても気さくな人だった。翌日朝には日本に帰国。前田さんは、ドールマンに会う為オランダへ・・・

長い1日だった。帰国する友人の一言から、まさかこんな大行事になるとは、思いもよらなかった。小さい頃から格闘家にあこがれ、道場に通い続けてきた私にとって、この1日は、決して忘れることの出来ない日となった。
RINGS社長前田日明さん。金原弘光選手。そして、逆にお手数をかけしまいました、マネージャーUさんの御三方に心から感謝いたします。

LWF 副会長

 

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